スープボール

ゆとりの備忘録

X(バンド)を好きになって

今回は人生で初めて好きになったバンド、Xについてです。

全ての始まりは『破滅に向かって』のCDでした。
私は当時小学2年。兄が突然買ってきたそれを一緒に聴いたのです。

『WORLD ANTHEM』で “なんだこれは?”『Silent Jealousy』で “すき…” という感じでハマりました。ただひたすらにかっこよかった。
ギターの奥でブルンブルン鳴ってる音は一体?と思い父に聞けば、ベースという楽器らしい。それから “ベースかっこいい”、“TAIJIって人も絶対かっこいいはず” みたいなあれで、ベースとまだ見ぬTAIJIに惹かれていました。
そして、どの曲よりも気に入ったのが『Voiceless Screaming』です。父がEaglesが好きでよく聴いていたことも影響してか、私も、何とも言えない哀愁を帯びた曲に惹かれる傾向にあったんですね。Xはそれとは対極の要素が強かった(イメージ含め)ので、不意打ちをくらったわけです。

しかし、CDなので映像がないわけで、想像がつかない!音楽番組で髪を逆立てて『紅』を演奏してるのを見た程度の知識しかなかったので、見たくて仕方なかった。
その後兄が無理してVHSを買って、観たらばもう好きが止まらない。ほら曲かっこいい!みんなかっこいい!TAIJIかっこいい!だから言ったじゃないか!みたいな、何と言うか、ちょっとした初恋みたいなものでした。
そして『Voiceless〜』、TAIJIが!弾いてた!マジか!涼しい顔してるけどこれ絶対難しいやつだ、ということだけは子どもながらに理解できました。
それから、“ドラムはTAMAでツーバスじゃなきゃ…” と叩けもしないくせに思っていたり、“BPM速い=かっこいい” などとよくわからん拗らせ方をしていました。恥ずかしすぎて、当時の自分を全力で引っぱたきたいです。

 
すでに解散していることも、HIDEが亡くなっていることも知っていました。しかし、TAIJIが『破滅に向かって』を最後に脱退していたことは、兄に聞いて初めて知りました。どのみちもう彼らの演奏を聴くことは出来ないのに、ショックを受けたような記憶があります。
それからはお年玉等を駆使し、すでに発売されているCD・VHS(当時は)を買い集める日々。『ロッキンf』や『SHOXX』などの雑誌も、ブックオフを巡って必死に。
メンバーがインタビューで影響を受けた/好きだと言っていたバンドのCDも買ってみたりもして。そこからは好きな曲やバンドが増えることが楽しくて、ラジオを聞くようにもなりました。

兄はhideが好きで、私がX収集してる一方でhideのCD・DVDを集めてました。私もすっかりハマったわけですが()。5月になると『FLAME』や『HURRY GO ROUND』が聴きたくなりますね。
また、hideトリビュートきっかけでLUNA SEAも好きになりました。『gravity』が一番好きです。『MECHANICAL DANCE』と『TONIGHT』を含めトップ3。特にベースがブルンブルン鳴ってる曲がツボなんです。


また、人生初ライブはToshIでした。大変失礼な言い方ですが “ドサ回り” の時期です。一連の騒動を当時の私は知らず、Xの曲も歌ってくれるのでは…とワクワクしてたけど一切無く、MCを含めつらいライブでした。あの時は、一夜限りの復活も再始動も予想がつかなかったです。その数年後、TAIJIとHEATHが並んでベース弾いてるのをテレビで見た時の高揚感と後悔…。20年早く生まれていれば90年代のライブを満喫できたのに、とずっと思ってました。今でもよく思います。


2011年の夏、『カラオケにその曲を歌う/演奏する本人が現れたら』みたいな番組にTAIJIが出演するというのを知り、どんな形であれ今のTAIJIの姿が見られる!と思い期待していましたが、OA日を前にTAIJIは亡くなってしまったのです。
生まれて初めて、かっこいいと思ったバンドマンでした。TAIJIのようにギターもベースも上手い人になりたくて、お年玉でギター買って、下手くそなりに練習していたこともあります。会えるわけでも話せるわけでもないことは勿論分かっていました。でも、生きてさえいてくれれば、新曲や生演奏を聴くことが出来たかも知れない。その望みが完全に絶たれたということがあまりにもショックでした。音楽やバンドにのめり込むきっかけになった人が、彼の死を以て全て『過去』になったわけですから。結局最後まで『今』も『これから』も追えなかった。



長々と書きましたが、私がXを好きになって学んだのは、“今好きなバンド等がいるのなら迷わずライブに行くべきだ” ということです。
私の場合、すでに解散したバンドや亡くなったアーティストを好きになることが多かったので、そこに対する執着は強いのです。幸い、Xを始めとして復活したバンドも多いですが。

もちろん、金銭的なこと、その他諸々都合や事情があるとは思います。
しかし残念ながら、どんなバンド・グループ・アーティストにも必ず終わりが来ます。これは絶対に避けられません。
『来年』や『次のツアー』なんぞどこにもありません。
あるのは常に『今』だけです。
ファンが勝手に『この先』を都合のいいように想像しているだけであって、実際の『この先』なんてものはアーティスト側にしか描けないのです。

「死んでから何を言われても聞こえないから、私に思うことがあるのなら今聞きたい」
「美味しいものは、仏壇に供えられるより生きてるうちに食べたい」

87歳になった祖母がよく言うセリフです。単純明快。これほど清々しいことばが他にあるでしょうか。

『終わり』は私たちに準備などさせてはくれませんからね。
かく言う私も、最近あまりライブやフェスに行っておりません。言い訳&自戒の念を込めてこれを書いているわけです。出来る範囲内で無理をして、好きなものに囲まれて生きたいですよね、どうせクタクタになって死んでいくのなら。


そして、ファンの弱みにつけ込もうとする転売ヤー、ぼったくりオークション野郎の非道な行いには然るべき対処がなされるよう強く願っています。
貴様ら全員残らず痛い目に合え!!!



(Xがかっこよくて仕方無いという話は、また次の機会に。)